都市地理学
Online ISSN : 2434-5377
Print ISSN : 1880-9499
総説
営業倉庫立地の研究姿勢
安積 紀雄
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2010 年 5 巻 p. 13-25

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抄録

長年,研究活動を継続してきたテーマである営業倉庫立地を取りあげ,筆者の研究姿勢を多面的に述べて みる.そこで得られた要点は以下の通りである.①長期間にわたり倉庫研究を可能としたのは,倉庫貨物のもつ強い地域性が魅力的だったからである.②倉庫分布は,基本として内陸地区と港湾地区に大別することができるが,それは倉庫特有の性格を反映したものである.③倉庫は,倉庫業者と荷主の両者で成り立つため,これら2 点を主に考察する研究方法が適切と考える.④倉庫業者はその諸属性をとらえ,そのうち,本社所在地,経営母体,倉庫分布の類型は,空間的意義が深い.⑤荷主は,保管品目とその地域的動向,並びにそれらを基にした生産地保管,中継地保管,消費地保管の3 形態の把握が地域との関係においては重要な項目といえる.

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© 2010 日本都市地理学会
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