抄録
平成16年4月国立大学は独立法人化され,各法人の裁量にまかされる自由度が増加した反面,社会的な責務も大きくなった。富山大学についても,国の一機関としての位置づけから,独立した法人として確実な安全衛生管理を独自の責任において実施する必要が生じている。環境マネジメントとは,事業者が自主的に環境保全に関する取組を進めるに当たり,環境に関する方針や目標等を自ら設定し,これらの達成に向けて取り組んでいくことをさし,そのための事業場内の体制・手続き等を環境マネジメントシステムという。環境マネジメントシステムが有効に機能すれば,構成員に対する安全衛生活動が行きわたり,労働衛生管理や危機管理システムに有機的に結びつくことが期待される。本稿では国立大学法人における環境マネジメントおよび環境マネジメントシステムについて,富山大学の例をあげ概説する。