富山大学医学会誌
Online ISSN : 2758-819X
Print ISSN : 1883-2067
就任講演
突然死研究と剖検システム
西田 尚樹
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2009 年 19 巻 1 号 p. 1-5

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抄録
 内因性急死の原因として最も頻度が高いのは心臓疾患であるが,通常の形態学的検討では,責任病変を検出できない例も少なからず存在する。本稿では,筆者が行っている心臓性突然死の責任病変としての心刺激伝導系病変の解剖学的,病理学的検討の概要や,連続的に剖検例を検索する過程で見出された非開放性胸部外傷によって生じる刺激伝導系損傷に関して述べた。さらに,法医学講座が社会貢献としての剖検を積極的に行い,得られた成果を教育や刺激伝導系研究を始めとした医学研究にフィードバックさせていくことを目指す上で,大きな問題点となっている本邦,本県の異状死体解剖システムの現状,改善点等につき概説した。
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© 2008 富山大学医学会
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