富山大学医学会誌
Online ISSN : 2758-819X
Print ISSN : 1883-2067
原著
平成18事業年度の富山大学附属病院の財務分析
―全国の国立大学附属病院との比較―
関根 道和
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2009 年 19 巻 1 号 p. 19-24

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抄録
背景:国立大学附属病院の財務状況は,法人全体の財務パフォーマンスに強い影響を与える。今回の研究は,富山大学附属病院の財務状況を,全国の国立大学附属病院と比較することを目的とした。
方法:対象は医学部を有する国立大学法人42校。平成18事業年度財務諸表の附属病院セグメント情報から,財務比率指標を算出した。
結果:富山大学が全国平均より良好の財務状況であったのは,運営費交付金比率(安全性指標),自己収益比率・自己収益回転率(収益性指標)であった。研究経費比率(活動性指標)は全国中位であった。人件費比率・一般管理費比率・業務費比率(効率性指標),教育経費比率(活動性指標),外部資金比率(成長性指標)は,全国平均以下の財務状況であった。
結論:富山大学附属病院は安全性と収益性は良好であるが,効率性や活動性および成長性は他大学より低かった。今回は横断評価のため,縦断評価を含めた検討が必要である。
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© 2008 富山大学医学会
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