富山大学医学会誌
Online ISSN : 2758-819X
Print ISSN : 1883-2067
原著
びまん性腎疾患群のCT評価
森尻 実神前 祐一野口 京
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2014 年 24 巻 1 号 p. 24-26

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抄録
 びまん性腎疾患それぞれの長径(縦径)・短径(横径)・腎実質の厚さ(前後径)をMDCT再構成冠状断像から測定し評価することが目的である。腎生検前の評価を目的とした上腹部あるいは肝~骨盤CTが撮像された。再構成横断像は6mm厚で再構成冠状断像は4mm厚であった。特に我々は再構成冠状断像を利用した。生検の結果あるいは電子カルテを利用した病歴からびまん性腎疾患群を急性びまん性腎疾患と慢性びまん性腎疾患とに分類した。それぞれの疾患のMDCTから測定した長径(縦径)・短径(横径)・腎実質の厚さ(前後径)について評価した。急性びまん性腎疾患群では長径(縦径)・短径(横径)・腎実質の厚さ(前後径)について<正常値・正常値・>正常値の間で分布にばらつきが多く一定の傾向は見られなかった。慢性びまん性腎疾患群では長径(縦径)・短径(横径)・腎実質の厚さ(前後径)について正常値より小さい値に多く分布していた。一定の方向性が示唆される。MDCTは再構成像から腎の長径(縦径)・短径(横径)・実質厚(前後径)を測定することによって慢性びまん性腎疾患を評価できる可能性がある。一方,急性びまん性腎疾患については我々の研究における各種測定値のみでは評価することが困難である。
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© 2013 富山大学医学会
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