本研究では2024年5月31日から6月2日にかけて開催された学際系メタバースイベントFirst Step Metaverse Festival 2024を対象にPine & Gilmoreの経験経済理論を用いて参加者体験を分析し、メタバースイベントの進化と可能性について考察を行った.分析の結果、以下の点が明らかになった(1)FSMF2024は経験経済理論の4E(Entertainment, Educational, Esthetic, Escapist)をバランスよく満たしており、特に教育的経験と娯楽的経験で高い評価を得た(2)メタバース経験者の割合が増加し、イベントの技術的安定性が向上(3)参加者の満足度が非常に高く、高い次回参加意向はイベントの継続的価値を示唆(4)教育、エンターテインメント、ビジネス利用への期待が高まっている.これらの結果から学際系メタバースイベントは従来の学際系オンラインイベントとは異なる価値を提供し、新たな知識創造とイノベーションの場として発展する可能性が示唆された.今後の課題は4E各領域の強化、クロスプラットフォーム展開、AIとの連携、グローバル展開などである.