本研究ではVRHMD利用者に緊急地震速報を最適な形で届けることを念頭に置き,VR空間において緊急性の高い情報の伝達を十分に行いつつ,ユーザーのVR体験を過度に阻害しない通知手法を探ることにした.まず, VR空間における緊急性の高い情報の通知手法について考慮すべき点を明らかにした.続いて,緊急性の高い情報とそうでない情報の通知についてVR空間で比較を行う実験を行った.その結果,VR空間における緊急性の高い情報の通知について,通知表示時間について6秒を目安に,より緊急度が高い場合にはそれよりも長く,画面の中央に表示を行い,通知音についてはアラート音と声による読み上げを組み合わせると,最も効果が高いということが分かった.