この発表は、ソーシャルVRにおける自己呈示について、サブカルチャー研究の視点から、発表者が執筆した修士論文の内容に基づきお話しします。 この調査は、二つの点を明らかにするため、参与観察と半構造化インタビューを組み合わせて行われました。一点目が、擬人化された動物を愛好するサブカルチャー文化、「ファーリー」たちがグループ外から向けられるスティグマに対していかに自己表現をコントロールするのかという点について。もう一つが、グループ内での社会的規範を考慮した上で、ファーリーたちがどのようにアバターを選択し、言動を管理しているのかという点についてです。特に、ゴフマンの提唱した前景と背景の理論がVR内に点在するサブカルチャー間でのコミュニティ内外でどのようにその境界が機能するのかを明らかにしました。