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植生学会誌
Vol. 15 (1998) No. 2 p. 79-93

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http://doi.org/10.15031/vegsci.15.79

原著論文

  1.兵庫県東播磨南部の溜池土手や禿山に成立している絶滅危惧種ウンヌケを含む二次草原について,植物社会学的方法による調査・解析を行い,表操作の結果1群集,2群落を区分した.
  2.東播磨南部のウンヌケを伴う二次草原は,ウンヌケ,ウンヌケモドキ,イシモチソウなどの標徴種群によって,ススキートダシバ群団に所属する新群集,ススキーウンヌケ群集にまとめられた.
  3.ススキーウンヌケ群集は,寡雨,貧栄養基質,製塩・窯業のための濫伐,山火事の多発など,森林の成立を阻む諸要因が複合的に強く働いた地域に成立した二次草原群集と考えられる.
  4.ススキーウンヌケ群集の分布は,禿山の景観が卓越する流紋岩質凝灰岩(姫路酸性岩類)の露出地域とほぼ一致していた.
  5.ススキーウンヌケ群集を含む日本の二次草原は,大陸熱帯系のイネ科フロラと大陸温帯系の広葉草本フロラとが一体となった,わが国独特の植生であることを指摘した.
  6.ススキーウンヌケ群集などが成立する溜池の土手草地は,規模こそ小さいものの各地に遍在するうえ,土手の維持を目的に行き届いた草地管理が行われている点で,生物多様性の保全上重要な存在であることを指摘した.

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