貝類学雑誌
Online ISSN : 2432-9967
Print ISSN : 0042-3580
ISSN-L : 0042-3580
台湾産タママイマイについて
呉 錫圭
著者情報
ジャーナル フリー

1982 年 41 巻 1 号 p. 26-32

詳細
抄録

タママイマイは貝殻の上ではオナジマイマイBradybaena similaris, Eulota fruticum, Fruticola hispida等と酷似するが, 解剖学上, オナジマイマイは粘液腺を2つ持ち, 矢嚢は膣の低い箇所に挿入され副矢嚢を持たない。又, Fruticola hispidaは数個の粘液腺と矢嚢, 副矢嚢各2もつ。Eulota fruticumは粘液腺は2∿4で緊く束ねられ, 矢嚢は膣の高い位置にある。Acusta ravidaも形態上前者に似て別属とするには疑問がある。タママイマイの解剖学的特徴は矢嚢に副矢嚢があり, 膣の高い位置の所に挿入され, 粘液腺は多数あり管状で互に融合しあう点上記の何れの属よりもEulotaに属さしめるのが妥当と思われる。

著者関連情報
© 1982 日本貝類学会
前の記事 次の記事
feedback
Top