スマトラ・ジャワ両島の間に位置するクラカタウ諸島の生物相は, 1833年の大爆発により潰滅的な打撃をうけたといわれる。1908年から生物の再移住についての数次の調査がなされたが, 1934年を最後に約50年間中断されてきた。これまでに同諸島からは12種の陸産貝類が報告されていたが, 1982年の調査では8種が確認されそのうち2種(Amphidromus banksi, Pseudopartula arborascens)は未記録種であった。今回の調査には陸産貝類の専門家が同行しなかったため, 得られた結果はきわめて不充分なものと考えられるが, 少なくとも新たな種の移住が続いていることが強く示唆された。