抄録
タマキビ及びアラレタマキビの種々の状況に於ける生存力を觀察したが, 空中室温にて濕氣も食物も與へず猶2∿2.5月生存し得る.恐らく空中に於ける水分消失度の少い爲, 斯く長く生存し得るものと考へられる.種々の濃度の海水中に於ける生存力は, アマガヒに比べる時は生存期間長く, 且つ生存し得る濃度變化の範圍も大であり, 鹽度16.6及び50.1の如き水中にては0.5∿1月生存し得る.高温限界は大體タマキビは45°, アラレタマキビは50°である.低温限界は決定し得なかつたが, 低温に對しては前者が後者より稍抵抗大であるやうに思はれた.