2017 年 1 巻 2 号 p. 25-29
脳神経外科病棟における転倒転落予防に向けた多職種連携の効果について検討した。多職種連携としては、5職種による転倒転落チームを設立し、転倒転落の予防策として早期からの情報共有や病棟環境整備、用語の統一や勉強会を実施した。また、転倒転落発生後、都度カンファレンスを開催し、転倒転落状況の分析と情報共有を行った。本研究の対象期間は転倒転落チーム設立前1年間と設立後3年間、更に活動終了後の1年間の計5年間とした。方法は各年の当該病棟年間入院延べ患者数と転倒転落発生件数から転倒転落発生率を求め、チーム設立前と設立後の各年、および設立後3年目と活動終了後の転倒転落発生率の差について検討した。結果、設立前と1年目で有意差は認められなかった。設立前と2年目および3年目では設立前が有意に高かった。また、3年目と活動終了後で有意差は認められなかった。このことから、複数年の活動により多職種連携の効果が得られること、また活動終了後もその効果が持続することが示唆された。