2018 年 2 巻 2 号 p. 1-9
日本の青年たちの「こころの健康」の諸問題が、1970年代から現代にかけて、どのように変化していったかを考察した。特に、日本におけるスチューデント・アパシー、オタク族、ニートや「ひきこもり」などについて、欧米などの研究や実践の動向を踏まえながら、検討した。その結果、多くの「ひきこもる」人びとには、現代日本の学校教育や、社会システムの問題が色濃く影響している点を指摘した。また、その問題と原因に、「幸いにも適応できた」多くの勝者たちが気が付いていないため、問題が再生産されるという点を指摘している。