貝類學雜誌
Online ISSN : 2433-0701
ISSN-L : 0042-3580
朝鮮産シジミ屬の生態並に形態學的研究 : 第 5 報タイワンシジミ Corbicula fluminea (Muller) の分布, 生態並に殻形に就いて
倉茂 英次郎
著者情報
ジャーナル フリー

1945 年 14 巻 1-4 号 p. 87-96

詳細
抄録

1. 朝鮮におけるタイワンシヾミCorbicula fluminea (Muller)は南鮮洛東江の上, 下流にみられ, 全羅南道を廻り, 忠清南道を經て京畿道漢江にまで分布してゐる.2. 南方系のタイワンシヾミは南下分布する北方系のキイロシヾミCorbicula felnouilliana Heudeとは京畿道及び忠清南道の中鮮に於いて相合する.3. タイワンシヾミは河川の下流にも上流乃至中流にも棲息してゐる.4. 泥を含まない砂地に棲む場合と泥の比較的多い砂泥地に棲む場合がある.前者のものは殻面は黄褐色系であるが, 後者では漆黒色を帶びてゐる.5. 成長に伴ふ殻形の變化は, 殻長13∿15粍までの稚貝は殻幅並に殻高を増加し, それ以上の成貝では高さに殆ど變化なく, 幅は却つて大型のものが減少する傾向をもつ.

著者関連情報
© 1945 日本貝類学会
前の記事 次の記事
feedback
Top