ストロンボリ式噴火は目視及び空振波形をもとに,マグマ表面での大きな気泡の破裂で生じるとモデル化されている(例えばVergniolle and Brandeis,1994など).近年,実際の噴火には多様性があり,火山灰を噴出する噴火も普遍的に起こっていることが指摘されているものの(Patrick et al.,2007など),それらの噴火でも,単一のガス溜まりが噴火源として想定されている.これまで火山の空振観測は周波数の低い帯域を対象とすることが多かったが,高周波数まで収録できるシステムを用いて,ストロンボリ火山の火口近傍で観測を行ったところ,単一気泡だけでは説明が難しい波形が得られた.