笑い学研究
Online ISSN : 2423-9054
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ISSN-L : 2189-4132
笑いと看護
小林 廣美
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ジャーナル オープンアクセス

2013 年 20 巻 p. 62-69

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抄録

看護師の「笑い」の効用は、「患者さんを主役」にし、「あなたを受け入れます」につながる。つまり、「患者さんの主体性の発揮」と「その人が持っている可能性の発揮」につながる。患者さんの治癒過程の中で、患者さんの一番身近にいる「キーパーソン」である看護師が笑顔で対応するということで、他部門や保健・医療・福祉との人的環境の中で連携がスムーズになり、健康上の問題の解決につながりやすい。また、病気のために基本的ニーズが満たされなくなった時の援助は笑顔の看護師さんだと安心して頼むことができる。看護師は「笑い」の効用を認識し、看護の場面において、患者さんが笑える場の環境づくりも重要である。生命を脅かされている場面、苦痛が生じている場面、日常生活が自分でできない悲しさなど、患者さんが体験する場面を共有し、共に乗り越えていくその先には、患者さんの笑顔が見える。その笑顔に会いたくて日々看護している。

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