抄録
京都府中部から滋賀県西部にかけての丹波山地の水田・休耕田に,種子の棘を欠くタウコギが分布していることを確認した。無棘型は単独で集団をつくっている場合も,有棘型(正常型)と混生している場合もあった。平野部の水田では無棘型は見出されなかった。栽培実験により,棘の有無は遺伝的なものであることが確認された。模擬水田を作って実験したところ,無棘型のタウコギは衣服に付着する能力を全く失っていることがわかった。これに伴い,衣服や稲束に付着せず水田内に留まった種子の割合は有棘型より無棘型のほうが多かった。