雑草研究
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原著論文
熱水による水田雑草種子の死滅条件および熱水土壌消毒法の水稲および水田雑草の生育におよぼす影響
牛木 純川名 義明森田 弘彦
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2007 年 53 巻 2 号 p. 48-54

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抄録
熱水による高温が水田雑草の種子の生存におよぼす影響について検討した結果,タイヌビエ(Echinochloa oryzicola),イヌホタルイ(Scirpus juncoides var. ohwianus),雑草イネ(Oryza sativa)の種子は,熱水中において,70°Cでは約30分,60°Cでは約180分で死滅した。土壌に熱水を散布する熱水土壌消毒法によって,土壌温度は12cmの深さでは最高72°Cまで上昇し,60°C以上の温度が約150分間継続した。熱水を散布した土壌(熱水処理区)にイネを移植し,1ヶ月後に水田雑草の発生状況を調査した結果,熱水処理区における発生個体数は,慣行の除草剤を処理した区(除草剤処理区)とほぼ同等であったが,イネの収穫時における残草量は新鮮重で除草剤処理区の2∼3倍と多かった。移植後1ヶ月目の熱水処理区におけるイネの生育は,除草剤処理区のイネの生育とほぼ同等であった。移植後4ヶ月目に土壌中に埋設したイヌホタルイの種子の生存率を調査した結果,除草剤処理区では生存率は約50%で埋設深度と一定の関係は見られなかったのに対し,熱水処理区では埋設深度9cmまで生存率は0∼5%,12cmでは約60%であった。
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© 2007 日本雑草学会
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