抄録
舗装道路の路面間隙における雑草の埋土種子集団の有無と埋土種子の供給源を明らかにするために,栃木県小山市から青森県上北郡七戸町までの国道4号線を対象に,路面間隙および道路周辺の雑草植生と,間隙内から採取した土壌に含まれる雑草種子の種類,数および生存率を調査した。
その結果,1)舗装道路の路面間隙に埋土種子集団が形成されていること,2)メヒシバ(Digitaria ciliaris(Retz.)Koeler),エノコログサ(Setaria viridis(L.)Beauv.),タンポポ類(Taraxacum spp.),カタバミ類(Oxalis spp.)は比較的に大きな埋土種子集団を形成していること,3)オオバコ(Plantago asiatica L.)やヨモギ(Artemisia princeps Pampan.)などの雑草は路面間隙の優占種でありながら,埋土種子集団を形成していないこと,4)埋土種子の供給源は草種によって異なり,メヒシバのように路面間隙と道路周辺の両方から種子が供給されている雑草とノゲシ(Sonchus oleraceus L.)のように路面間隙と道路周辺以外からも種子が供給されている雑草があること,5)路面間隙内の雑草種子の生存率はオランダミミナグサ(Cerastium glomeratum Thuill.),カタバミ(Oxalis corniculata L.),ノミノツヅリ(Arenaria serpyllifolia L.),セイタカアワダチソウ(Solidago altissima L.),ナガハグサ(Poa pratensis L.)およびノボロギク(Senecio vulgaris L.)種子で高く,メヒシバおよびタンポポ類の種子で低いことが明らかになった。