2011 年 57 巻 1 号 p. 1-6
植物寄生性線虫類に対するアワユキセンダングサ(Bidens pilosa L. var. radiata Scherff.)煮沸抽出液の抗線虫活性,抗線虫活性に及ぼす本植物の生育環境と生育段階および保存条件の影響について検討を行った。その結果,サツマイモネコブセンチュウ(Meloidogyne incognita(Kofoid and White)Chitwood),アレナリアネコブセンチュウ(M. arenaria (Neal) Chitwood),ジャワネコブセンチュウ(M. javanica (Treub) Chitwood),ミナミネグサレセンチュウ(Pratylenchus coffeae (Zimmermann) Filipjev and Schuurmans Stekhoven)およびダイズシストセンチュウ(Heterodera glycines Ichinohe)に対して高い不動化作用が認められた。また採取季節,採取地域,生育段階および生育土壌の異なるアワユキセンダングサを用いてサツマイモネコブセンチュウに対する抗線虫活性を評価したところ,いずれも高い不動化作用が認められた。保存期間の影響については,植物体を乾燥させた状態では18ケ月間,抽出液では12ケ月間,高い抗線虫活性を維持できることが明らかとなった。