雑草研究
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総 説
帰化植物とつきあうにはなにが大事なのか
— 特に近畿地方における帰化植物の分布の動態,現状と関連して —
植村 修二
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2012 年 57 巻 2 号 p. 36-45

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抄録
筆者が「帰化植物メーリングリスト」へ投稿した情報などをもとに,帰化植物の同定,侵入·定着の近年の特徴,定着後の分散についてまとめた。輸入物資を扱う貿易港やそれらが運ばれる工場などは,第二次大戦後非意図的に帰化植物が繰り返し集中して侵入したため「帰化センター」と呼ばれた。現在,「帰化センター」として機能する場所は激減したが,輸入緑化種子や園芸用土の夾雑種子,観賞用植物の逸出やマニアによる移植など侵入経路は多岐にわたり,帰化植物の侵入が広範囲にわたっている。定着後の分散事例としては,花が美しいため意識的に除草を免れて道路沿いに伝搬したナガミヒナゲシ,都市部や市街地の舗道に適応した路面間隙雑草や大規模開発に伴う造成地に広がる先駆植物となる帰化植物などが挙げられる。問題となる帰化植物の侵入,分散および繁茂に対しては,刈り取りを行うことで抑制することが有効な手段になりうる。
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© 2012 日本雑草学会
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