抄録
九州北部地域でのムギ作の主要イネ科雑草であるスズメノテッポウ(Alopecurus aequalis Sobol.)のトリフルラリン及びチフェンスルフロンメチルに対する抵抗性バイオタイプの発生実態を明らかにするために,スズメノテッポウが残草する福岡県,佐賀県,長崎県,熊本県,大分県の圃場から種子を採集し,抵抗性の有無について調査を行った。その結果,トリフルラリンに対してのみに抵抗性を示すバイオタイプ,チフェンスルフロンメチルに対してのみに抵抗性を示すバイオタイプ,両方の除草剤に抵抗性を示すバイオタイプの3種類のバイオタイプが確認された。すべての県においていずれかの抵抗性バイオタイプが確認され,広範囲に抵抗性バイオタイプが発生していることが明らかとなった。福岡県朝倉市から採集した両方の除草剤に抵抗性を示すバイオタイプはチフェンスルフロンメチルを4~5葉期に4倍量を処理しても枯死しなかった。トリフルラリンに対しては抵抗性比が13.1倍であった。また,ペンディメタリンに対しても抵抗性を示し,ジニトロアニリン系除草剤に交差抵抗性を示した。ベンチオカーブを含有する除草剤の効果は高く,チオカーバメート系除草剤の効果は高いと考えられた。