抄録
九州北部のムギ圃で発生面積が拡大している除草剤抵抗性スズメノテッポウのムギ類生育期間の個体数を低減するため,2009~2011年播の3作にわたり圃場試験を実施して「浅耕二工程播種」技術を開発し,晩播と組み合わせた防除効果について検証した。浅耕二工程播種は,水稲収穫後の耕起(耕起深5 cm,以下事前浅耕)により0~5 cmの層の埋土種子を出芽させ,茎葉処理型除草剤を処理した後に同じ耕起深で耕起・播種する方法である。事前浅耕によりスズメノテッポウの埋土種子の発芽は促進され,事前浅耕区のコムギ播種前の出芽個体数は慣行区に比べ,11月下旬(普通期播)で170%,12月中旬(晩播)で260%以上となり,事前浅耕区の0~5 cmの層の埋土種子数は,浅耕前に比べ,11月下旬で約40%,12月中旬で約10%となった。浅耕二工程播種により,3月上旬におけるスズメノテッポウ生残個体数は普通期播の慣行に比べ,普通期播で13~61%,晩播で0~22%に減少した。コムギ収量は,浅耕二工程播種は慣行と同等,晩播は播種量を増やすことで普通期播と同等となった。浅耕二工程播種と晩播の組み合わせにより,コムギの収量を維持しつつ除草剤抵抗性スズメノテッポウの個体数を低減できた。