雑草研究
Online ISSN : 1882-4757
Print ISSN : 0372-798X
ISSN-L : 0372-798X
原著論文
大分県のダイズ作における雑草の発生実態
河野 礼紀柿原 千代文近乗 偉夫松尾 光弘西脇 亜也
著者情報
ジャーナル フリー

2020 年 65 巻 2 号 p. 31-40

詳細
抄録

大分県のダイズ作における雑草の発生実態を明らかにするために,県内のダイズ主産地である北部地域を中心に達観による雑草の発生実態調査を2015~2016年の2カ年行った。両調査年とも8月中旬から9月のダイズ生育期と11月のダイズ成熟期の2時期に圃場ごとの雑草種別発生程度を無から甚の6段階で判別した。全調査圃場に対する発生圃場の割合を示す発生圃場率は,いずれの調査年および調査時期も県全体でイネ科雑草のノビエおよびメヒシバ,難防除雑草であるヒユ科のホソアオゲイトウ,ナス科のヒロハフウリンホオズキ,北部地域の圃場にて多発生が確認されたツユクサ科のカロライナツユクサで高かった。また,4種の帰化アサガオ類や九州では初めてとなるアレチウリのダイズ作圃場への侵入が確認された。北部地域で発生圃場率の高かった3種の難防除雑草について,発生圃場に占める発生程度「中」以上の圃場の割合はホソアオゲイトウおよびヒロハフウリンホオズキでは24~44%であったのに対し,カロライナツユクサは57~64%と高く,カロライナツユクサは圃場に侵入後,急速に圃場全体に蔓延している可能性がある。

著者関連情報
© 2020 日本雑草学会
前の記事 次の記事
feedback
Top