1975 年 1975 巻 19 号 p. 14-19
1. 深さ15cmの土壌全層に4種の種子を1970年10月に均一に埋蔵し, 年5~6回土壌を攪拌した区と非攪拌区とを設け, 3年半にわたって発生および地中種子密度の変化を追跡した。
2. 発生のピークは最低地温に規制されているように推察され, 各雑草個有の消長を示した。各雑草の初期埋蔵種子に対する発生割合は, 非攪拌区ではシロザ4%, オオイヌタデ13%, ヒメイヌビエ14%, そしてツユクサが44%であった。これに対し攪拌区では, それぞれ15, 38, 60および56%であった。
3. 地中活性種子の減少過程は指数曲線的傾向を示した。種類別の年減少率は, 非攪拌区ではシロザ17%, オオイヌタデ36%, ツユクサ50%およびヒメイヌビエ77%に対し, 攪拌区ではそれぞれ25, 72, 49および87%であった。
4. 土層別では, シロザは0~1cm, オオイヌタデとヒメイヌビエは0~5cm, ツユクサは0~10cm内の種子が初年目の6月下旬から8月下旬までに急激に減少した。