1) メヒシバ, イヌタデ及びヨモギの3年間の草生がリンゴ未結果樹の根群の発達及び分布に及ぼす影響を調査した。
2) 深さ60cmまでの土壌断面に出現したリンゴの根数の測定結果によれば, 根群の発達はヨモギ区で最も抑制され, メヒシバ区でも抑えられたが, イヌタデ区では裸地区とほぼ同程度の発達がみられた。リンゴ地上部の生長はヨモギ区でのみ劣った。
3) ボーリング法により雑草地下部及びリンゴ細根の垂直分布を比較調査したところ, ヨモギ区及びメヒシバ区では雑草地下部が最も多く分布する表層土壌へのリンゴ細根分布の抑制がみられた。イヌタデ区ではこのような傾向はみとめられなかった。
4) メヒシバとリンゴ及びイヌタデとリンゴの根群の小範囲での相互関係について調べたところ, リンゴ細根の発達はイヌタデの根群分布域でも若干抑えられる傾向がみられた。しかしながら, メヒシバ根群分布域におけるより, その抑制程度は弱かった。