1964年秋から1966年春にかけて干陸された八郎潟干拓地における植物相の変遷と, 入植農家の除草労働力の変遷を調査した。
1) 1978年現在,「中央干拓地」内には72科330種4変種の植物が記録された。これは, 干拓前の旧湖岸植物に比べ13科104種の増加である。
2) 増加の著しいものは, キク科, イネ科, マメ科, カヤツリグサ科などで, 雑草, 人里植物および帰化植物が多い。
3) 新しい帰化植物の中には, 今後その増加を警戒しなければならないものも含まれ, また, 一般植物では, その分布上注目されるものも含まれる。
4) 入植当時はエゾウキヤガラ, イヌビエなどの手取り除草で多労となっているが, 除草剤の普及などにより数年後からは, ほぼ一般田の水準に近づいている。