雑草研究
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カラスムギ生態型の草型のクラスター分析
山口 裕文
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1982 年 27 巻 2 号 p. 77-82

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抄録

日本産73系統, 外国産36系統のカラスムギとエンバク1系統を実験圃場で栽培し, 成熟時の草型をしめす11形質の特徴を用いて群内平均法によるクラスター分析を行なった。標準ユークリッド距離と分散分析による GOODMAN の測度を用いた分析では植物体の大きさと形の両面にわたった群形成がみられ, Qモード相関係数を用いた場合は, 植物体の細身さやずんぐりの度合にそった群形成がみられた。GOODMAN の測度を用いた分析でカラスムギの草型の分類の結果は良好であった。
普通型のカラスムギでは, (1) 高緯度地方産の系統, (2) 日本南部の都市空地産の系統, (3) 日本南部や韓国の耕地や路傍に多い系統, (4) D型, C型, U型に類似する傾向にあるムギ畑産の短稈の系統, の4つの草型が分類された。D型生態型は2群に別けられ, C型やU型とともにムギ畑産の短稈系統との似かよりを示した。

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