1984年から1988年までの5年間に, 管理方法と施肥レベルを変えた休耕畑における植生の二次遷移過程について調査を行い, 大要次の結果を得た。
1. 攪乱の程度が小さい放任区では放任後2年目までは一年生植物のメヒシバ, オオイヌタデ, シロザが優占した。3年目以降はセイタカアワダチソウ, ヨウシュヤマゴボウ, クズなどの多年生草本が優占し, 一年生植物や小型植物の種類数は減少した。出現した植物に対する一年生植物の種数の割合は急減し, 遷移度は急増した。
2. 放任区に比べて攪乱の程度が大きい枯草除去区では, 経年による種組成は放任区と類似したが, 一年生植物の種数割合は放任区より概して高く, 遷移度は低かった。
3. 攪乱の程度が大きい耕転区では, 多年生植物の侵入・定着が阻止され, 5年目においても一年生植物の優占する二次遷移初期の種組成が維持された。
4. 施肥レベルと遷移度との関係を見ると, 施肥レベルが低い場合に遷移度は高い値を示した。施肥レベルが違っても生活型組成には大差が見られなかった。