雑草研究
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ハマスゲ塊茎から単離した Sugetriol triacetate およびその誘導体の植物生理活性
駒井 功一郎久保 豊増田 依子濱田 昌之
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1991 年 36 巻 4 号 p. 329-333

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抄録

ハマスゲ精油よりセスキテルペンアセテートを結晶状で単離し, その関連成分数種を合成してそれらの生理作用について検討した。
1) 単離したセスキテルペンアセテートを sugetriol triacetate と同定した。本成分のアルカリ加水分解によって sugetriol monoacetate, sugetriol diacetate および sugetriol の3成分を誘導した。一方, sugetriol のCrO3酸化によってその triketone 体と diket-ol 体を得た (Fig. 1)。
2) Sugetriol triacetate はレタスおよびメヒシバ幼苗に対して阻害活性を示さなかった。またその monoacetate 体, diacetate 体および sugetriol はいずれもレタス幼苗の幼根伸長を促進したが, メヒシバには阻害作用を示した (Table 1, 2)。
3) Triketone 体と diketo-ol 体には処理後5日でクロロシスおよびネクロシスを発現した。クロロシスは triketone 体で強く, 250ppmで幼苗を枯死させた (Table 1, 2, Fig. 2)。

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