1992 年 37 巻 3 号 p. 226-231
一年生畑雑草ハルタデ種子の休眠・発芽性に及ぼす親植物生育時の日長と温度の影響について検討した。日長条件が8, 12時間の短日条件で生育した個体の種子は16時間の長日条件の種子と比較して, 千粒重は重く, 発芽性については低温湿潤処理による休眠覚醒がしやすく, 発芽時における光要求度も小さかった。また, 生育期間中に20℃の低温条件に多く遭遇した個体から生産されたハルタデ種子も休眠覚醒しやすい傾向が認められた。これは, 親植物生育期間中の環境条件が採種時の種子の熟度, 採種後の種子の休眠覚醒パターンに影響を及ぼすことによるものと考えられた。