抄録
ダイズたおける除草剤抵抗性研究の一環として除草剤抵抗性細胞の選抜を行った。ダイズ幼植物子葉より誘導したカルスを2,4-D 2mg/lと庶糖を含むMS培地で28℃, 110rpmで懸濁培養し, 10日毎に植え継いだ。細胞の生育は10日間でほぼ10倍 (体積)となった。
除草剤は, ダイズ用に広く用いられ作用機構の異なる, オキシフルオルフェン, イマザキン, フルアジホップブチルを用いた。これら除草剤を培地に添加し, オキシフルオルフェンの場合は光照射下で培養したが, 除草剤濃度に依存して細胞の生育が抑制された (Fig. 1)。生育の5%抑制濃度 (I50) は, それぞれ, 5×10-8, 5×10-7, 10-5Mであった。選抜は, I50よりやや低い濃度で継代培養し, 生育が回復後順次段階的にやや高い濃度に移すことにより行った。オキシフルオルフェンでは, 順次10-9, 10-8, 5×10-8, 10-7Mでそれぞれ4, 7, 10, 10回継代し, 10-7M抵抗性細胞が得られた (Fig. 2A)。イマザキンでは, 10-8, 10-7, 5×10-7Mに4, 4, 6回継代し, わずかな (5×10-7M) 抵抗性が得られたが, 10-6Mでは十分な生育が得られずやがて死滅した (Fig. 2B)。同様にフルアジホップブチルの場合も, 10-7, 10-6, 10-5, 5×10-5Mに4, 4, 7, 7回継代し, 5×10-5M抵抗性細胞が得られたが, 10-4Mではほとんど生育できなかった (Fig. 2C)。10-7Mオキシフルオルフェン抵抗性細胞のI50はほぼ5×10-6Mであり, 通常細胞と比べ約100倍の抵抗性が得られたことになる (Fig. 3)。この抵抗性はオキシフルオルフェンを含まない培地中でも6ヵ月以上安定的に維持された (Fig. 4)。
以上より, ダイズ培養細胞においてオキシフルオルフェンに対して高い抵抗性が得られたが, イマザキン, フルアジホップブチルに対してはわずかな抵抗性のみであり, 抵抗性の選抜に薬剤の種類により難易があることが示された。このことは薬剤の作用機構と関連しているものと推察された。