雑草研究
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イネ幼苗におけるベンスルフロンメチルの生育抑制に対するジメピペレートの薬害軽減機構
李 度鎭松本 宏臼井 健二石塚 皓造
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1995 年 39 巻 4 号 p. 229-236

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抄録
ベンスルフロンメチル (BSM) によるイネ幼苗の生育抑制に対するジメピペレートの薬害軽減機構を明らかにするために, BSMの吸収・移行および不活性化への代謝, および, BSMの植物代謝系への影響におけるジメピペレートの混合効果について検討した。
1) BSM処理により引き起こされた7日苗イネの生育抑制は, ジメピペレートとの混合処理によって明瞭に軽減されることが確かめられた。
2) 植物体中への14C-BSMの吸収量は時間の経過と共に増加し, そのほとんどが根部に留まったが, ジメピペレートとの混合処理区では吸収量の減少が認められた。一方, 根部から地上部への移行率では影響が認められなかった。
3) イネ幼苗の根部に吸収されたBSMの代謝においては, ジメピペレートの混合処理によって親化合物が減少し, 不活性代謝物のO-脱メチル体の割合の増加が認められた。
4) ジメピペレートあるいはダイムロンを根部に3日間前処理したイネの茎葉部におけるBSMの代謝率を比較したが, ジメピペレートで代謝促進効果が認められた。
5) アセトラクテート合成酵素 (ALS) 活性は, in vitro, in vivo 共にBSM単独処理によって阻害され, in vivo でのジメピペレートの混合処理によってのみ活性の回復が認められた。
6) 根部における分岐アミノ酸 (Leu, Ile, Val) 含量はBSM処理により減少し, ジメピペレートの混合処理によってIle, Val含量の回復が認められた。また, ジメピペレートを根部に3日間前処理した茎葉部においても内生分岐アミノ酸 (Ile, Val) の回復が認められた。
7) 根端部におけるチミジンのDNA画分への取り込みは, BSM処理により96時間後から阻害が見られたが, ジメピペレートと混合処理するとその阻害は回復された。
以上の結果から, イネ幼苗におけるジメピペレートの生育抑制軽減作用の主要因として, イネ幼苗体内へのBSMの吸収抑制および吸収されたBSMの不活性化合物生成への代謝促進が関係しているものと示唆された。また, ジメピペレートとの混合処理において, ALS活性, 分岐アミノ酸含量, チミジンのDNA画分への取り込み等の阻害が回復されるのは, BSMの吸収抑制や代謝促進作用による二次的な影響によるものと推察した。
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