雑草研究
Online ISSN : 1882-4757
Print ISSN : 0372-798X
ISSN-L : 0372-798X
暖地水田におけるノビエ (Echinochloa spp.) の発生生態とメフェナセットの最適処理時期の関係
加持 集三五島 敏男大津 悠一
著者情報
ジャーナル フリー

1998 年 43 巻 3 号 p. 210-219

詳細
抄録

高知県南国市の早期および普通期栽培水田において, ノビエの発生消長ならびに葉令の進展を1991~1996年まで作期別に調べ, メフェナセットのノビエに対する最適処理時期と最適薬量を検討した。
早期栽培における, ノビエの発生および生育の進行は, 普通期栽培に比べて全般的に遅れたが, 累積発生率をプロビット変換し, 対数有効積算水温で比較すると, 発生終期を構成する個体群の温度反応のみに差が見られた。また, 早期栽培におけるノビェの葉令進展は, 普通期栽培に比べ日数を要したが, 有効積算水温で比較すると, 両者とも同一の直線関係を示した。
メフェナセット 4%粒剤は, 早期および普通期栽培共にノビエの1.0葉期時の処理が最も効果的であり,長期間にわたる優れた残効性が見られた。回帰分析により, 植代後経過日数, メフェナセットの残効期間, ノビエの葉令進展, 発生期間のすべてを積算水温として表すことで, ノビエ防除の最適処理時期とその時の最適処理薬量を, 早期栽培においては植代後19日・700g a. i./ha, 普通期栽培においては植代後7日・600g a. i./haと推定した。

著者関連情報
© 日本雑草学会
前の記事 次の記事
feedback
Top