雑草研究
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中国黄土高原の丘陵地における植生管理法と土壌・水流出量の関係および植生回復のためのイネ科多年生植物の選抜
一前 宣正西尾 孝佳劉 国彬李 代瓊黄 瑾
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2001 年 46 巻 2 号 p. 97-103

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抄録

中国黄土高原の丘陵地では耕作と過放牧により植生が減少し, 裸地が拡大する傾向にある。筆者らは丘陵斜面に耕作放棄区と禁牧区を設けて植生および土砂と水の流出量を調査した。また裸地化した斜面の植生回復を目的として多年生イネ科雑草を導入し, その中から有用草種を選抜した。その結果, 耕作放棄と禁牧を25年間続けると, 植被率は増加し, 土壌と水の流出量は低下した。また優占種は1年生草本から多年生草本に変化した。さらに数種のイネ科植物種子を斜面に播くと, 土壌と水の流出量は著しく低下した。一方, 159種の多年生イネ科雑草を導入した結果, Panicum virgatum L. や Bromus inermis Leyss. などの20種は5年以上にわたって生育することが判明した。

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