モデルベース協調フィルタリングを重回帰分析により実現することを目指し,ユーザ-アイテム行列をWord2Vecにより次元圧縮し圧縮空間で回帰係数を推定する手法を提案する.協調フィルタリング用ベンチマークデータセットを用いた実験により,提案手法の予測性能と適切なWord2Vecのハイパーパラメータを明らかにする.具体的には,重回帰分析ではL1正則化またはL2正則化を適用し,圧縮次元数10通り,ウィンドウサイズ5通りの計50通りのWord2Vecのハイパーパラメータにおける予測精度を検証する.実験結果から,提案手法にはL2正則化が適しており,Word2Vecの次元数は小さく,ウィンドウサイズは大きくするほうが予測精度の向上に寄与することを確認している.これらの結果より,推薦理由の説明能力を有したモデルベース協調フィルタリングを重回帰分析により実現できる可能性を得ている.