多様な端末の進化により,センサからユーザ行動を推定する技術が注目されている.しかし,従来手法で推定可能な行動は「睡眠する」や「自転車に乗る」など限定的である.そこで本研究は,センサでは直接観測できない行動推定を可能とする知識ベース (行動ネットと呼ぶ) の自動構築を目標とする.行動ネットは,名詞と動詞で構成されるノードと,行動と行動の関連性を表すエッジで構成される.行動ネットは,センサで観測された行動に該当するノードの隣接ノードを抽出することで不可観測な前後の行動予測に利用できる.本稿の目的は,大規模テキスト群とある状況を表す単語を入力として,ある状況特有の行動ネットを自動構築し,手動構築したものと比較して自動構築の有効性を検証することである.自動構築手法は,ある状況で出現確率が高いノードとエッジを優先的に抽出する.評価では「睡眠」という状況に着目し,手動及び自動で得られたノードに対して妥当性を5段階評価し,正解を設定する.手動構築データの比較対象として,オープンデータであるConceptNet5と,本稿独自に実施した手動構築の実験で得られた行動ネットを比較し,自動構築の有効性を論ずる.