抄録
マクアダム楕円は、スペクトル軌跡の中の色について、どれだけ色度座標が離れると二つの色光は異なって見えるかの問題を扱っている。マクアダム楕円では、この弁別の標準偏差をxy色度図に置点したところ、中心色の色度座標の周囲に楕円状に分布する結果が得られた。すなわち、色度座標における楕円として観データを記述するモデルフィッティング問題そのものである。モデルフィッティング問題一般に関しては、マクアダム楕円より後年に情報理論に基づく学問分野が確立されており、MDL基準等が定式化されている。本稿は、このMDL基準に基づき、マクアダム楕円に関する実験データについて2, 3の考察を行うものである。