抄録
本稿では, モアレ画像からの脊柱側彎症自動識別法について述べる. 一般に, 正常例の背面モアレ像は左右対称を示しているが, 異常例ではモアレ縞のひずみによる左右非対称が大きく現れる. 本稿では, 脊柱側彎症によって生じるモアレ縞のゆがみを定量的に解析する手法について述べる. 提案法では, 図形の近似的対称性解析法により対称基準を求め, 対称基準を境とする左右領域内の重心位置のずれ(非対称度)を特徴量として求める. それらの特徴量を正常例·異常例について求め, ニューラルネットにBP法で学習させる. 1200例(正常600例, 異常600例)の背面モアレ像を用いて実験を行い, 89%の認識率が得られた.