抄録
少ない投影データから内部構造を可視化するために標本化モデルを用いてきた。CTのように受信センサが豊富な場合は、良好な画像を得ることが可能である。しかし、海洋や工業分野ではコスト面からセンサ数を減らす要望がある。また、画質がある程度の劣化しても高速に内部構造が可視化できる手法が望まれている。これまで、ウェーブレット標本化関数によるファンビーム方式のWMR(Wavelet Model Reconstruction)法について検討してきた。WPR法では計算速度向上のため伝播経路からの影響範囲を狭くしていたが、送信センサと受信センサ付近での投影データの間隔が異なり、受信センサ付近では空間データの欠如が発生する。そこで、伝播距離により標本化関数を変更するマルチ標本化関数という概念を用いたMulti-WMR法について報告する。