抄録
n (≥2 ) 色の各刺激値が与えられて、その加法混色結果は一意に定まるが、減法混色の結果は一意に定まらず複雑であるとされており、これまでに理論的な解析がほとんどなされていない。我々は (そのI) において、Ideal Color の減法混色の上下限に関する定理を導出した。次にこれらの定理を用いて、Ideal Color 減法混色の色再現範囲の重心式を求めるための基礎定理を導いた。本稿ではこれらの定理を使用して、混色前のn 色の各刺激値の積の形で重心式が近似的に表現されることを示す。また、シミュレーション実験により確認した結果を示す。重心式に含まれる積は、加法混色の和と対をなすものであり、混色の体系化において重要な意味を持つ。