抄録
近年,粒子法を用いた流体の表現に関する研究が行われており,その一例として泡の研究がある.水中を浮遊しながら上昇する泡の研究例はあるが,水面上に出た泡の消滅はランダムに行われており,物理的な根拠に基づいたシミュレーションは行われていない.そこで,我々は泡を構成する空気粒子と水粒子を考え,水面上において泡の内部を構成する空気粒子に接する水粒子を泡の膜粒子とし,この膜粒子に働く表面張力と重力を考えることで,泡が水面に出た後に消滅する物理的な根拠に基づいたモデルを考え,粒子法を用いて泡の消滅シミュレーションを行った.