抄録
非掘削で地中に埋設されたガス管の破損位置を取得するために,ガス管内探査ロボットが撮影したガス管内の映像から破損位置の絶対座標取得の要素技術の一つとして,ロボットの直進時の進行距離推定法を提案した. 提案手法は1段階目で動画像の各フレームに幾何学的変換を施し,2段階目で変換した画像を用いて進行距離推定を行う.1段階目では中心距離(ロボットに搭載したカメラの光軸とガス管の中心軸の距離)が0[mm]でない状態で撮影した画像を,中心距離が0[mm]で撮影した画像に変換する. 2段階目では,1段階目で変換した画像に対してオプティカルフローを用いてガス管壁面の模様(特徴点)の軌跡を求める.その軌跡の画像上の長さを絶対距離に変換することでカメラの進行距離を求める.実験では中心距離を0[mm]から3[mm]まで変化させてカメラを100[mm]進行させた動画を撮影し,提案手法を適用して精度を評価した.幾何学的変換も進行距離推定も実際の工事現場で求められる精度が得られた.