主催: 西部造船会
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最近になって、ポッド・プロペラという、ポッドの中に電動モーターを持つ推進機が船舶に使用されるようになってきた。しかし、模型船での実験から実船の推進性能を推定する方法が確立されておらず、まちまちの方法で推定されている。本論文では、実船で150mのバルクキャリアの船型に2軸のポッド・プロペラを装備した船を考え、それに対応する長さ2.5mの模型船と直径80mmのプロペラおよび動力計を作成した。ポッド系(ポッドとストラット)および船体の抵抗試験、プロペラの単独試験、ダミーポッド付プロペラ性能試験、荷重度変更法による自航試験などにより、模型船の推進性能を解析して、ポッド・プロペラ装備船の推進性能算定法の問題点を明らかにした。一方、境界要素法を用いる理論計算によって、実験に対応する推進性能計算および仮想実船に対する推進性能計算を行い、推進のメカニズムを明らかにした。また模型船の結果からITTC1978年の予測算定法を用いて、実船の推進性能を求めて比較し、その精度について検討した。