超大型浮体構造物(VLFS)は、平面的に広く、船舶などに比べて相対的に曲げ剛性が小さいので、流力弾性応答を考慮して設計をする必要があることがすでに知られている。そのVLFSの初期段階における構造設計を行うためには、曲げモーメント、剪断力、および動的水圧の評価が必要である。しかし、構造形式や寸法を概略決定するためには、構造安全性評価式、機能性制約条件、および工作上制約条件などの制約条件を満たす最適化が必要である。しかし、流力弾性解析を直接的にその最適化のループに組み込むことは難しいので、変位や応力などの構造応答の簡易推定式が必要であると考えられる。本研究では、構造部材のせん断応力を求めるのに必要な波浪せん断力に注目し、VLFSに働く波浪剪断力を構造部にFEM, 流体部にBEMを用いた流力弾性応答解析で求め、そのせん断力分布の特性を調べた。さらに二次元解析から解析的に求められる波浪剪断力の式を修正する形で、波浪せん断力の最大値の簡易式を導くことを試みたので報告する。