本報では, 溶融亜鉛めっき槽に着目し, 現状における槽の使用状況の調査と, 槽の事故解析を行った。さらに, 槽の建造期間の短縮と建造費の低減を目的として, 現在実績のある被覆アーク溶接法に替わる溶接方法について, 高温強度と耐溶融亜鉛脆化感受性の観点から検討した。その結果次のことが明らかになった。(1) 溶接材料F3を用いた半自動ガスシールドアーク溶接法が, 被覆アーク溶接法に替わる, めっき槽製作時の溶接材料および溶接方法として適用可能であると考えられる。(2) 溶融亜鉛脆化感受性は, 材料の化学成分に依存し, 特に, C+Si+Mn量の増加とともに高くなる傾向が認められた。