西部造船会々報
第98回西部造船会例会(西部造船会々報 第98号)
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波浪中の浮体式海洋構造物の位置制御に関する研究
百留 忠洋中村 昌彦小寺山 亘梶原 宏之倉田 喜生
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p. 9

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抄録

近年、海底資源掘削のための洋上ステーション、海上工事で使用される台船等で浮体式海洋構造物の位置制御の技術が必要とされている。ライザー管を設置している浮体式海洋構造物は、風·潮流·波等の外乱下で一定位置を保持することが要求される。また、台船、試掘船などはある範囲内で精度よく位置を調節する必要がある。このような位置制御を行うためには、浮体にスラスター等の推進器を取り付け、それらを制御することによって位置を制御する方法が考えられる。この場合、洋上において、浮体が受ける力は、波·潮流·風による漂流力及び波による動揺に分けられる。このうち波浪外力による動揺は起振力が大きく、スラスター程度の推力では抑制することが困難である。したがって、スラスターが波周期の運動に反応するとエネルギーの無駄遣いになると考えられる。本論文では、H制御理論を用い波周波数領域に反応しないスラスターコントローラを設計し、浮体模型の位置制御の実験及びシミュレーション計算を行い性能を検討した。

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© 1999 公益社団法人日本船舶海洋工学会
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