水産資源量の調査に用いられる調査船には優れた操船能力が求められることから, バウスラスターが装備されていることが多い。バウスラスターは定速操船時にその効果を発揮するが, 船の前進速度によって性能が低下してしまう事が知られている。本研究は漁船船型を対象として数値計算によりバウスラスター性能の推定を行なったものであり, 計算の結果, 前進速度によって横方向の干渉力は最大20%, 干渉モーメントは最大30%減少し, スラスター推力が小さい程性能の低下が大きい事がわかった。また, 干渉力に影響を及ぼすスラスターからの噴流経路の決定手法について検討を行ない, 可視化実験によらなくとも経路の推定が可能であることを示した。