循環型社会という新しい社会構造へ移行しようとしている現在, 廃棄物管理も個別, 場あたり的な計画では対応しきれなくなってきている。しっかりと社会背景の変化や国民のニーズを把握した上で, 廃棄物管理に関する社会の運営方針を決める必要がある。このような廃棄物管理に関する社会の運営方針を反映して, 制度設計をするのが廃棄物計画論である。本論では廃棄物管理を, 廃棄物の発生からリサイクル, 最終処分に至るライフサイクルとしてとらえ, 物の流れと変換をコントロールすることと考える。制度化するためには, 制約条件が多い有限系 (循環型) においては, 無限系とは異なった複雑・困難な廃棄物計画になることが予想される。複雑・困難な対象に見通しのよい具体的な解を与えるのが, システムズアプローチである。したがって本論では, 「循環型共生社会」を例にとって, 廃棄物計画のシステム化, つまり廃棄物計画論への試論を試みた。